お店の立地が決まり、メニューも決まったところで、厨房のレイアウトや設備について考えて行きましょう。
メニューなどと違って、設備部分は一度設置してしまうと、そう簡単に変更出来ないものです。
又後の変更となると、高くつく部分でもあります。よく考えてシュミレーションして決めていきましょう。
目次
厨房設備
厨房設備は業種によって、ある程度必要なものは絞られます。
次に大事な事は、厨房で働く人数です。
厨房に立つ人数は
まずは、厨房に立つ人の人数を考えましょう。
3人用の厨房を作ったとします。しかし調理師さんが1人だった場合当り前に広いですよね。
以前、大型ショッピングモールのラーメン屋さんに行った時の事です。
この日は日曜日でとても混雑していました。比較的空いていたので、このラーメン屋さんに入りました。
注文してから待てど暮らせど料理が出てきません。
ラーメン屋さんは、比較的早く料理が出てくる業種なのに、何をしているんだろう?
そう思い厨房に目をやると、この忙しいのを予測出来る条件なのに一人しか居ませんでした。
「急にアルバイトが休んだのかなぁ?」そう思いながら再びよく見てみると、
調理場が3人用と思える調理場でした。
L字の調理場で、L字の細い部分が洗い場になっていて、太い部分で調理するようになっています。
ここまでならそう問題ないのですが、この太いスペースの中央に何か機材か?
棚のようなものがありました。いわゆるアイランドキッチンのようなレイアウトです。
たぶん、この中央の棚の奥で調理して、棚の手前のスペースで仕上げをするように考えていたのでは?
この厨房なら調理師が最低2人必要です。
そう大きくない厨房だったので、この中央の棚さえなければ、もう少し何とかなったのに!と思いました。
この日はアクシデントでたまたま人手不足だったのかもしれませんが、このように人手を用意できない場合もあります。
当初予定していた人数が確保できるとは限りません。
大きさにもよりますが、出来るだけシンプルなレイアウトにしておいた方が無難でしょう。
動線を考える
メニューが決まっていれば、厨房機器は選びやすいと思いますが、スペースにより置けない場合もあります。
そこで必要な厨房機器をピックアップして優先順位をつけておきましょう。
次に配置ですが、ここは動線をよく考えて、配置しましょう。
厨房機器はある程度規格サイズで、奥行きが一律にできるようになっています。
奥行きを一律にして、デコボコのない並べ方にしないと、動きづらくなります。
又冷蔵庫などの扉の開閉スペースも考慮しておきましょう。扉が半分しか開かない所も時々目にします。
これもスペースの問題もあるかと思いますが、出来ればちゃんと開閉できるのが望ましいところです。冷蔵庫にはスライドドアもあるので、スライドドアのタイプにするのも1つです。
スケルトンのお店ならこれでいいと思いますが、居抜きなどの店舗の場合、ガスや水道の配管や電気の配線も移動できない場合もあります。
ここも事前にチェックしておきましょう。
又、足元の配管や柱の出っ張りがあって入らない!といったこともよくあるので、この辺も必ずチェックして下さい。
これもよく見かけますが、コンセントの位置が低かったり、容量が足らない場合です。
調理場は水を流す事が多いので、コンセントの位置が低いと漏電の原因になって危険です。
容量の足らない場合も、タコ足配線になり、漏電や機械の故障の原因になります。
又水を流すのでスノコをひいているいる所も多いのですが、これによって台下冷蔵庫の扉が開かなくなったり、シンクの高さが低くなりすぎた!
こんなこともよくある話です。
安全に配慮する
以前私の経営していたお店で、厨房の位置をお店の中央に配置したことがあります。
中央といってもお店のど真ん中ではありません。壁ぎわの中央です。
しかしこの壁の向こうは壁1枚で別の店舗になり、外には出られません。
このお店に来たベテランの調理師さんが「これは危ないな~」とすぐ指摘されました。
その理由はダクトが客席を通って外に出ているからです。おまけに長さもそれなりにあります。
ダクトは油汚れがたまります。まして家ではなく店舗ですので油の量も相当です。
フライパンに火が上がるのは多々ありますので、この際にダクトに火が走ってしまう危険があるからです。
私は調理師ではないので、レイアウト優先で気づきませんでした。火事は起きずに、この後の改装で調理場は隅に移動しましたが・・・。
数年前だったか、ニュースで見たのですが、同じような厨房で火事になっていました。 やはりベテランの調理師さんが指摘したように、ダクトに火が移ったのが原因で火事になったようです。
もう一つ、ベテランの調理師さんがいつも気にしていた事があります。
それは換気扇です。
もちろん調理場に換気扇があるのですが、ここも油汚れがたまる所です。この調理師さんは毎日のように換気扇をチェックしていました。
その当時は「神経質な人だなぁ」程度にしか思っていませんでしたが。
これも又数年前に、ハンバーガーチェーンだったか?この換気扇が壊れていて、 一酸化炭素中毒で死亡者が出たニュースを見ました。
このお店は若いアルバイトの人ばかりだったようです。
うちの調理場は、カウンター部分が開いているので、そんなに神経質にならなくても空気は抜けるのでは?
なんていい加減に考えていましたが、このように実際に事故も起きています。
ベテランの調理師さんなら「当り前」の事でしょうが、私のように気づかない場合もあります。
もしあなたがベテランでなければ、このような人に事前に相談するのもいい方法だと思います。
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