失敗しない開業マニュアル

飲食店【失敗しない開業マニュアル】其の6-お店のキャパシティと売上の組み立て方

 

以前、私の知人がお店を開業する時に「1か月○○円の売り上げで、利益○○円出そうと思う」

その言葉を聞いて「このお店でそれはたぶん無理だろうな」と私はすぐ思いました。

初めての店舗で夢を大きく持つことはいいことだと思います。

しかしそれは、店舗の予測売り上げが計算出来ていての事です。

根拠のない数字は、なかなか達成できない数字「絵に描いた餅」になってしまいます。

 

 

お店のキャパシティーを知る

例えば10坪で客席20名のお店があったとします。ここで月商1000万は可能でしょうか?

答えはYES!可能です。

月商1000万円だと1日35万程の売り上げが必要です。

1日35万というとすごい数字ですよね!なかなか達成できない数字でもあります。

しかし客単価が1万円なら35人お客さんが来てくれればいいんです。

反対に客単価が1000円だとどうでしょう?350人必要です。

満席で20名のお店なので18回転ほどしないといけません。

お客さんの滞在時間が平均1時間だったとして、ひっきりなしにお客さんが来ても

18時間かかることになります。

私が冒頭に言った「無理な売り上げ」の意味がもうお解りだと思います。

 

客席×客単価で大丈夫?

上記の計算は、机の上での計算に過ぎません。

現実は20席の客席が全て満席ということの方が少ないでしょう。

4人席に1人座る場合もあるので、ホールのスタッフが上手くさばいても、実際は客席数の60~70%位になると思います。

仮に70%として、このお店の満席の人数は14名となります。

こうなると、ひっきりなしにお客さんが来ても25回転しないといけません。

ということは25時間!一日24時間なのでもう無理です。

 

お客さんの来る時間帯は集中している

更にそれからここが一番難しい所です。

お客さんの来る時間は片寄っているって事です。

ランチタイムなどで考えて頂ければ解りやすいと思いますが、12時から1時に集中します。

ですので現実にはランチタイムに2回転が上出来なパターンだと思います。

このお店で客単価¥1000のランチを売った場合、いいとこ¥28000の売り上げだという事が予測できます。

ここまでを理解していれば、この¥28000の売り上げをアップする方法も考えられますよね。

例えば¥1000のランチにデザートをプラス¥300で売る。

これはそのお店のキャパシティーが14名なので、それ以上のお客さんがいたとしても入れません。

この時間は客単価を上げる事が有効になります。

12時から1時の混雑時以外なら、2時以降はデザート付きで¥1000にする。

この時間帯はお客さんが少なくなるので、お得感を出して集客するのが有効でしょう。

このように、工夫して売り上げを伸ばす事ができます。

これらは、業種や立地によって異なりますが、夜なら7時~8時、バーならもう少し遅い時間、オフィス街なら終業時間後などそれぞれに特徴がありますが、多かれ少なかれ来店客の波はあります。

前回お話した好立地の物件とは、この波が多い(常に周りにお客さんがいる)お店になります。

キャパシティー以上の売り上げも

このようにお店の売り上げは、ある程度客席に比例すると思います。

しかしキャパシティー以上の成果を出す方法もあるんです。

それは、宅配やテイクアウトです。今ならネット通販もいいでしょう!

これならお店のキャパシティー以上の売り上げが可能です。

ただしこの場合、スタッフの補充や調理場の設備なども別途考えておく必要がありますが・・・。

あとよくファミレスなどのレジで売ってるお土産なんかもいいアイデアだと思います。

これらは、客席数と関係なく売り上げを伸ばす手立てです。

簡単に売り上げの組み立て方を書きましたが、これ以外にも掃除や片付け、仕込みにも時間がかかります。

営業時間の全てを販売に費やせません。

まずは、お店と自分のキャパシティーを知り、売り上げ予測を立てておく事が、飲食店経営には大事な事です。

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